Permanent Vacation

これからもずっとつづけばいいのに

ブログタイトルについて

1980年のジム=ジャームッシュの同名映画から。 意訳だけど、Permanent Vacation = 「終わらない休暇」かな。

パーマネント・バケーション - Wikipedia

同名でエアロスミスのアルバムがあるけどこっちは聴いたことない。

パーマネント・ヴァケイション - Wikipedia


映画自体は大学時代に一回見たきりであまり覚えてないが、タイトルが強烈に焼き付いている。

Permanent"パーマネント"というおばちゃんの髪型が浮かぶ慣れ親しんだ響きに「終わらない=永遠」という意味があるという発見と、ForeverやEternalといった流行曲の高尚で嘘くさいイメージとは違う緩めの「永遠」が感じ取れること、この言葉が好きになった。
ゲームの主人公の名前やアカウント名を取得する場合も一貫してこの言葉を使うと決めたことで一々名前で悩むことがなくなり、以降の人生で無駄な時間を節約することができるという実利までを齎してくれるまさに福音となった。
他人から「一番好きな言葉はなんですか?」と訪ねられれば「パーマネントです!」と即答するだろう。
その人は非常に困惑する。(意味不明。ボケにしたら返す突っ込み難しすぎ。パーマかけたいの?勝手にしろよ)と。
でもぼくはこの言葉を自信を持って好きだといえる。
「ずーっと」とか「(半)永遠」とか「たぶん終わらない」みたいな緩い永遠。ちょうど良い。


ただ映画の印象は薄いものだったのにそのタイトルに具体的なイメージがついたのは、それ以前に好きだった別の作品の影響がある。
映画の『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』『エーゲ海の天使』と、中村一義の『永遠なるもの』だ。

うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』は主人公達が学園祭の前日を永延と繰り返すといった内容でループものといわれるジャンルの作品。
エーゲ海の天使』はイタリア映画で、戦時中外界から隔離された島に取り残された兵士達が戦争も忘れ島民とのんびりとした日々を暮す作品。
また中村一義の『永遠なるもの』は歌詞がすごく好き。

愛が、全ての人達へ…。
あぁ、全てが人並みに…。あぁ、全てが幸せに…。
あぁ、この幼稚な気持ちが、どうか、永遠でありますように。
- 僕の人生はバラ色に変わったーっ!! -

これらの作品に共通した物を感じてそれに惹かれていたのだが、
「Permanent Vacation」という言葉がそれをしっかりと表現してくれたように感じた。

ForeverやEternalとは違う永遠。
ほとんどの「永遠」や「ずっと変わらないモノ」もいづれ終わってしまう。
それは自分の生活や人生が今後もずっと続くがかならず終わることに似ている。

ぼくは物心付いた頃から自分がいつか死んでしまうことに理不尽さを感じていた。
なぜ死ぬと決まっているのに生まれなければならないのか、と。
このどうしようもない理不尽さと折り合いを付け始めて、自分の命の終わりがすべての終わりではないことに救いを感じ始めたのが大学時代だったのだと思う。

そんなときだからこの言葉が強く残ってしまったのだろうと。


ブログタイトルをなににしようと考えたときにも真っ先に浮かびなんとなくしっくりきた。

日記の類いは終わりがあいまいだから。

「日記はそこで終わっていた…」というセリフがあるが果たして本当に終わっているのだろうか?
本人が死んだことを暗示してはいるのだろうが、死んでいるかははっきり分からずもし生きていたらまた書き始めることができよう。
ブログやTwitterFACEBOOKといったライフログは本人が死んだあとも残されたまま放置され公開され続けているアカウントがあるらしい。なかには残された家族が引き継いだり、ブログの終了を宣言してりしてる例もあるみたい。
昨年元同僚の同い年の女性が癌で亡くなった。彼女は休職後わずか三ヶ月で亡くなってしまった。
死後彼女の家族は彼女の仕事や交友関係を全く把握していなかったため、葬儀に誰を呼べばよいか分からなかった。その際彼女のTwitterを通じて数人に連絡ができ、そこから職場関係の人達に葬儀の連絡が行き葬儀当日は遺族の想像を遥かに越える人数が参列した。ぼくも。
ぼくは彼女からブロックされているためそのTwitterを読むことはできないが、他の人はいまも読むことができる。今後もずっと。

ライフログのタイトルとしてはPermanent"パーマネント"という緩い響きはちょうど良い気がした。


Vacationにはそこまで触れることもなかろうが、ぼくは本当に働くのが嫌いだ。
ずっと休みであればいいのにといつも感じて生きている。 Permanent Vacation。ぼくの欲求とだらしなさを良く表し救ってくれている言葉だと思う。

Permanent Vacation。おっさんの独り言のブログとなりますよ、と。